マンションの室内にひび割れが発生する原因は一つではなく、様々な要因が複合的に絡み合っていることがほとんどです。ここでは、主な原因をいくつかご紹介します。 まず、最も一般的なのが「乾燥収縮」です。コンクリートは、打設後に水分が蒸発する際に収縮する性質があります。特に新築から1~2年の間に発生する細いひび割れ(ヘアクラック)は、この乾燥収縮によるものが多く、構造上の問題ではないことが多いです。 次に、「温度変化」による影響です。コンクリートは温度の変化によって膨張したり収縮したりします。この伸縮が繰り返されることで、コンクリートに応力が集中し、ひび割れが発生することがあります。特に寒冷地では、コンクリート内部の水分が凍結と融解を繰り返し、ひび割れを引き起こすことがあります。 「建物の揺れや振動」もひび割れの原因となります。地震による揺れはもちろんのこと、近くを車や電車が通る際の振動、日常的なドアや窓の開閉による振動なども、壁に継続的な負荷をかけ、ひび割れを引き起こすことがあります。窓やドアの開口部周辺に斜めのひび割れが多く見られるのは、このためです。 さらに、「経年劣化」も避けられない原因です。建物は時間とともに劣化が進み、コンクリートの中性化によって内部の鉄筋が錆び、膨張することでひび割れが発生することがあります。これを放置すると、コンクリートが剥離したり、ひび割れが拡大したりする「爆裂」と呼ばれる現象に繋がることもあります。 稀に「施工不良」が原因となることもあります。コンクリート打設時の養生不足や水セメント比の不適切さ、鉄筋の配置ミスなどが、後々のひび割れに繋がることがあります。 これらの原因を理解することで、マンションの室内のひび割れに対する認識を深め、適切な対応を考えることができるでしょう。
マンションの壁にひび割れ!原因を徹底解説