玄関ドアのリフォームを検討する際に、誰もが最も気になるのが費用についてでしょう。その価格は、工事の方法や選ぶドアの製品グレードによって大きく変動します。まず、工事方法には大きく分けて二つの種類があります。一つは、既存のドア枠ごと壁を壊して撤去し、新しいドア枠を取り付ける「はつり工法」。もう一つは、既存のドア枠は残したまま、その上から新しい枠をかぶせる「カバー工法」です。はつり工法は、ドアのサイズや種類を比較的自由に選べるメリットがありますが、壁の解体や補修が必要になるため、工期が数日かかり、費用も高くなる傾向にあります。一方、カバー工法は、壁を壊さないため工事が約一日で完了し、費用も抑えられるのが最大の魅力です。現在、戸建て住宅の玄関ドアリフォームでは、このカバー工法が主流となっており、その費用相場は工事費込みで概ね二十万円から五十万円程度です。この価格の幅は、主に選ぶドア本体の性能やデザインによって決まります。例えば、基本的な性能のアルミ製ドアであれば比較的安価ですが、断熱材が充填された高断熱仕様のドアや、無垢材を使用した高級感のあるドアは価格が上がります。また、防犯性能も価格を左右する重要な要素です。ピッキングに強いディンプルキーや二重ロックは標準的な装備になりつつありますが、さらに防犯性を高めた特殊な錠前や、こじ破りに強い構造を持つドアは高価になります。加えて、カードキーやスマートフォンで施解錠できるスマートコントロールキーなどの便利な機能を追加すると、その分費用が上乗せされます。リフォーム会社に見積もりを依頼する際は、単に総額だけでなく、ドア本体の価格、工事費、既存ドアの処分費などの内訳を明確にしてもらい、自分の予算と希望する性能のバランスを考えながら、最適なプランを選ぶことが重要です。
玄関ドアリフォームの費用と価格を決める要素